special

ウッドデッキの基礎作りをするには?部材名称や作業工程を徹底解説!

はじめに

ウッドデッキを設置する際には、基礎づくりをしっかりと行うことが重要です。
基礎というのは、ウッドデッキ全体を支える重要な部位である為、施工した後に不具合を生まない様、正しい基礎づくりを行う必要があります。

この記事では、ウッドデッキの基礎づくりで知っておきたいポイントを徹底解説します。
使用する部材の名称から作業工程までを解説しますので、これからウッドデッキの基礎づくりを行う方は、ぜひ参考にしてみてください。

福田造園の簡単な歴史

1964年に創業。石屋からはじまり、名古屋城の石垣や公共の工事を手がける。ハウスメーカーの下請けを経て、「お客様の笑顔や感想を直接いただきたい」という想いのもと、外構・エクステリア屋として独立。外構・エクステリア・お庭工事などに関して、提案、製図、施工管理という全ての工程を自社で行っています。培ってきた造園屋としての知識、エクステリア・外構屋としての知識をいかんなく発揮し、お客様ひとりひとりに合った、より快適な生活を過ごしていただけるよう努めています。

写真:福田造園

ウッドデッキ基礎の工法について

ウッドデッキの基礎づくりでは、2つの工法が採用されています。

 

・大引き工法
・サンドイッチ工法

 

専門技術を要する「大引き工法」と、DIYでも施工しやすい「サンドイッチ工法」、それぞれの工法を知ることで、基礎づくりに関する理解が進みます。

まずは、どのような特徴があるのか確認してみましょう。

大引き工法

「大引き工法」とは、大引きと呼ばれる土台の上に根太を設置し、床材を貼り付けていく工法です。大引き部分には根太よりも丈夫な木材を使用しているため、非常に強度が高いというメリットがあります。

一方、大引きは束柱の上に高さを揃えて水平に設置する必要があるため、レーザー墨出し器のような専門道具を使用しなければなりません。高さを揃える作業に専門技術を要するため、基本的にDIYに用いるのではなくプロが採用する工法といえるでしょう。

サンドイッチ工法

プロなどの専門職が採用する大引き工法に対して、DIYでもよく採用される工法が「サンドイッチ工法」になります。サンドイッチ工法の基本的な構造は、束柱を根太で挟み込んで土台を仕上げています。

根太を挟み込む際に水平にすれば良いため、束柱はある程度高さが合っていれば問題ありません。そのため、基礎石から水平ラインを正確に出せない初心者の方でも、作業のしやすい工法といえるでしょう。

ただしサンドイッチ工法の場合、根太を留め付ける際に使用するビスが重荷を受け止めています。そのため、施工が簡単である一方で大引き工法よりも強度が弱くなってしまう点がデメリットです。

ウッドデッキの基礎を構成する部材の名称

ウッドデッキの基礎を構成する代表的な部材には、以下の名称のものがあります。

・束石(基礎石)
束柱
根太

これらは、ウッドデッキの基礎作りを行う上で最低限知っておくべき部材です。
ウッドデッキの基礎を作る際に理解を深めるためにも、まずはどのような特徴があるのか部材ごとにチェックしてみましょう。

束石(基礎石)

束石(つかいし)とは、別名「基礎石」とも呼ばれている部材です。ウッドデッキを支えるために、土台の役割として設置されます。束石にもさまざまな種類があり、ウッドデッキで使用されている束石は、束柱と固定するタイプと固定しないタイプに分類することができます。

まず、束柱と固定しないタイプの束石では、主にピンコロとコンクリート平板が使用されています。ピンコロとはコンクリート製の四角いブロックのことをいい、コンクリート平板はその名の通りコンクリートでできた平板のことをいいます。

 

一方で、束柱と固定するタイプの束石では、主に羽子板付束石とツーバイフォー束石が用いられています。羽子板付束石は、上部にプレートが付いているため、ビスを使用して固定することができます。

ツーバイフォー束石は、2×4の規格に合った溝が掘られているため、2×4材を使用する施工において便利な束石になります。

束柱

束柱(つかばしら)とは、床下などに設置する短い柱のことを指します。束石の上に設置され、ウッドデッキを支える上で最も重要な役割を持っている部材といえるでしょう。

束柱は、90㎜×90㎜のサイズが用いられる場合が多く、丈夫で耐久性にも優れているハードウッドが採用される傾向にあります。また、70㎜×70㎜のサイズが利用されることもありますが、90角よりも重厚感は欠けてしまうでしょう。

ただし、幕板を下まで張り下げるようなケースであれば隠れてしまうため、70角の束柱を採用しても問題ありません。

根太

根太(ねだ)とは、ウッドデッキの床板を固定するために設置される部材です。根太は、ウッドデッキの水平を決める上で重要な役割を持っているため、取り付ける際には正確な水平ラインを作る必要があります。

根太の間隔は、床材の厚みによっても左右します。例えば、床材が薄い場合、根太ピッチが広いと床がたわんでしまう原因になります。そのため薄い床材などは、根太のピッチを狭くして施工する必要があるのです。

根太にはさまざまサイズが利用されていますが、一般的に38×90mm、40×70mm、45×70mm程度のサイズが活用されている傾向にあります。

ウッドデッキ基礎の作業工程

 

ウッドデッキの基礎を作る際には、以下のような工程で作業を進めましょう。

1.地盤を固める
2.束石(基礎石)を設置する
3.束柱・根太を設置する

ここからは、DIYでも作業しやすいサンドイッチ工法の各作業工程について詳しく解説します。
作業するうえで注意すべきポイントも紹介しますので、基礎づくりの参考にしてください。

地盤を固める

ウッドデッキを設置する際には、まず下地をきちんと地固めする必要があります。地固めは、基礎作りにおいて最も重要な工程の一つで、地固めが不十分だと設置後に地盤沈下を起こす原因にもなるので注意しましょう。

地固めの作業手順は以下のとおりです。

1.掘り下げる
2.砕石を入れる
3.突き固める

まず、束石を置くための地面を掘り下げる作業から始めます。地面のラインから約20㎝下げ、地面を固めて下地を作ります。次に、掘り下げた場所へ砕石を敷き詰め、ダンパーを用いて突き固めていきます。

このとき、砕石以外にも割栗石を用いることも可能です。施工後に地盤沈下のようなトラブルを発生させないためには、この地固めの作業を入念に行うことが重要なポイントです。

束石(基礎石)を入れる

地固めの作業が完了したら、次に束石(基礎石)を並べて設置しましょう。束石を設置する際は、羽子板付束石などを使用すると作業がしやすいため、作業に慣れていない初心者の方にもおすすめです。

束石(基礎石)を設置する手順は以下のとおりです。

  1. モルタルを入れる

  2. 束石を設置する

  3. 土を戻す

まず、地盤を固めた下地の上にモルタルを入れていきます。モルタルは、水分量が多すぎると束石が沈み込んでしまうため、適度な硬さに調整したものを入れるようにしてください。

次に、モルタルを入れたら束石を設置します。束石は高さを合わせて水平に設置し、先ほどのモルタルで固定をしておく必要があります。なお、元の地盤が非常に固いような場合は、モルタルを入れずにそのまま束石を設置する事も可能です。

水平に設置する際には、水糸を張って確認するとスムーズに作業が行えます。大引き工法の場合は正確な水平ラインが求められますが、サンドイッチ工法の場合は大引き工法ほど正確に水平ラインを出す必要はありません。

モルタルが乾燥して固まったら、仕上げに掘り出した土を戻して完成です。地盤の固さによってはモルタル無しでも施工できますが、モルタルがあることでより強固な下地にすることができます。

そのため、基本的にはモルタルを入れて束石を設置し、地盤沈下が起きないような基礎作りを行いましょう。

束柱・根太を設置する

束石の設置まで完了したら、次は束石の上に束柱と根太を取り付けていきます。束柱や根太は、ウッドデッキの床材を貼り付けていく際に重要な土台となる部位のため、正確に取り付けていくことが重要です。

主な設置手順は以下のとおりです。

  1. 束柱を垂直に立てる

  2. 束柱と根太を固定する

まず束石の上に束柱を垂直に設置し、立てた束柱と根太を取り付ける作業に移ります。根太は、束柱の側面にビスを使用して留め付けていきますが、このとき根太ピッチは600~1000㎜程度が目安になります。

根太を取り付ける際は、束柱が飛び出さないように5~10㎜ほど浮かせる形で留め付けていきます。こうすることで、床材を貼り付ける際に束柱が邪魔をする心配がなくなるため、ウッドデッキをきれいに仕上げることができます。

また、根太は床材の水平ラインに直結するため、取り付ける際には水平器などを用いて水平であることを確認しましょう。床材を貼る前にきちんと根太が水平であることを確認し、ウッドデッキの基礎を仕上げることが重要です。

ウッドデッキの基礎を作る際のポイント

ウッドデッキの基礎を作る際には、以下の点に注意することが重要です。

  • 図面を作成する

  • 水平に設置する

  • 高さを揃える

  • 設置場所を考える

これらのポイントを押さえて基礎作りを進めることで、経験の浅い初心者でも完成度の高い基礎を作ることができます。安全性があり完成度の高いウッドデッキの基礎に仕上げるためにも、要所を押さえて進めて行きましょう。

図面を作成する

ウッドデッキの基礎作りを進める際には、まずベースとなる図面を作成しておきましょう。図面と聞くとプロが使うレベルの作図を想像するかもしれませんが、おおよその完成イメージをラフ画としてあらかじめ作っておくことで、ミスのない作業を行うことができます。

なお、ウッドデッキの図面を作成するポイントは以下のとおりです。

  • 大きさを決める

  • 上と横から見た図を作る

  • 材料の数を出す

イメージ図を作成する際には、基本となるウッドデッキの大きさを最初に決めましょう。具体的に、どのくらいの広さと床の高さになるのか明確にしておくことが重要です。

ある程度の大きさが決まったら、実際に作図を行いましょう。ウッドデッキを上から見た図(平面図)を作成し、束柱や根太を書き込んでください。束柱の間隔は、一般的に900~1,200㎜間隔に収めることが多いです。

これらの条件で作図を行い、最終的にどの程度の材料が必要になるのか確認しましょう。

水平に設置する

ウッドデッキの基礎作りでは、束石を水平に並べていくことが重要です。束石が水平を確保できない場合、ウッドデッキが傾いて仕上がってしまうなどの非常に大きな弊害が生じてしまうでしょう。

また、水平を確保するために地盤をきちんと固めておくことも重要です。ウッドデッキの水平は、地盤沈下によって確保できなくなることもあります。そのため、地盤をきちんと固めて水平を確保することは、基礎作りにおいて大きなポイントといえます。

高さを揃える

完成度の高いウッドデッキを作る際には、基礎の高さが揃っていることが重要になります。床の部分の水平は根太で調整しますが、束石のラインはある程度水平で高さが合っていなければなりません。

束石の高さをある程度合わせるためには、砕石などを敷き詰め、地盤を固める際にも注意しておく必要があります。基礎作りの最初の工程から高さを意識して作業を進めることで、より完成度の高いウッドデッキに仕上げることができます。

設置場所を考える

ウッドデッキの基礎を作る際には、束石(基礎石)の設置場所に注意しましょう。束石の設置場所が不規則であると、床材のたわみといったトラブルの原因にもなります。

また、束石の設置場所は適当に配置してしまうと、沈み込みの原因にもなってしまいます。そのため束柱の間隔や根太の間隔なども考慮した上で、束石の設置場所を決めておくことが重要といえます。

おわりに

基礎作りは、ウッドデッキ作りにおいて最初の工程となるため、ウッドデッキ全体に影響する最も重要な作業といえます。基礎作りの作業が適当になると、床の水平ラインが合わなくなってしまったり、地盤沈下を起こす原因になってしまったりするため注意しましょう。

ウッドデッキの基礎作りは、プロが行う大引き工法と初心者向けのサンドイッチ工法に分類することができます。そのためDIYで作業する際は、失敗の少ないサンドイッチ工法を用いて基礎作りを行うことをおすすめします。正確な基礎作りを行い、安全できれいなウッドデッキに仕上げましょう。

福田造園は
下記のエリアに対応しています
※エリアページ随時追加中