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ウッドデッキの「人工木」とは?メリット・デメリットを徹底解説!

はじめに

ウッドデッキは人気の高いリフォームのため、検討している方も多いのではないでしょうか。そんなウッドデッキには、天然の木材(天然木)を使用する方法以外にも人工の木材(人工木)を使用して仕上げる方法があります。
そこで今回の記事では、ウッドデッキの人工木とはどのような材料なのかを徹底解説します。人工木を利用するメリットやデメリット、費用相場におすすめの製品なども紹介しますので、これからウッドデッキリフォームを考えている方はぜひ参考にしてみてください。

福田造園の簡単な歴史

1964年に創業。石屋からはじまり、名古屋城の石垣や公共の工事を手がける。ハウスメーカーの下請けを経て、「お客様の笑顔や感想を直接いただきたい」という想いのもと、外構・エクステリア屋として独立。外構・エクステリア・お庭工事などに関して、提案、製図、施工管理という全ての工程を自社で行っています。培ってきた造園屋としての知識、エクステリア・外構屋としての知識をいかんなく発揮し、お客様ひとりひとりに合った、より快適な生活を過ごしていただけるよう努めています。

写真:福田造園

ウッドデッキの「人工木」とは?

ウッドデッキに使用する素材は、大きく天然木と人工木の2種類に分類することができます。これらの素材はそれぞれに特徴があるので、素材選定をする際にはきちんと特徴を理解しておくことが重要です。

そこでここからは、人工木とはそもそもどのような素材なのかを解説します。また、天然木と人工木の違いについても触れますので、素材選定の参考にしてみてください

人工木とは

人工木とは、プラスチックと木粉を混ぜて成型した素材のことをいい、別名「樹脂木」とも呼ばれています。ポリエチレン樹脂などを主成分としているため、天然木のように腐ってしまうリスクやシロアリに浸食されるリスクが非常に低いことで注目されています。

一方、人工木は木粉(いわゆるオガクズ)も含んでいるため、天然の木材に近い風合いも楽しめる一面があります。ただし、この木粉部分についてはプラスチックではないので、腐食する可能性はあるでしょう。

メーカーによって樹脂と木粉の配合は異なっているため、同じ人工木でも耐久性に若干の差が生じやすい傾向にあります。

 

天然木と人工木の違い

腐りにくい素材の人工木ですが、天然木と比較してどのような点が違うのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。そこでここからは、人工木の比較対象である天然木の特徴について紹介します。

まず天然木は、大きくハードウッドとソフトウッドと呼ばれる種類に分けることができます。

ハードウッドとは、非常に硬くて耐久性の高い木材のことです。丈夫な種類の木材なので、腐りにくくウッドデッキでも多く採用されています。中には人工木よりも腐食に強く耐久性に優れた木材も存在しますが、硬いことから加工がしにくく施工費用が高くなる傾向にあります

一方でソフトウッドは、繊維の密度がハードウッドほどないため、柔らかく加工もしやすい木材です。木材としての費用も安価なので、ウッドデッキの設置費用を抑えたい場合に適しています。

ただし、劣化が比較的早いので、メンテナンス頻度は増えてしまうでしょう。トータルのライフサイクルコストは、ハードウッドを使った場合よりも増加する可能性があります

ウッドデッキで人工木を選ぶメリット

人工木のウッドデッキには、以下のような魅力があります。

・耐久性、腐食に優れている
・メンテナンス性が良い
・選択できるカラー展開が豊富
・費用対効果が高い

人工木のメリットを理解しておくことで、素材を選ぶ際の重要な判断基準として参考にできます。

そこでここからは、ウッドデッキに人工木を採用した場合のメリットについて、いくつかを詳しく解説します。

耐久性・腐食に優れている

人工木のメリットとして挙げられるのは、耐久性や腐食に優れているという点です。天然木の場合、経年劣化によって素材の傷みも進行します。また、水や湿気の影響を受けて腐食することもあります。

一方で、人工木は一般的に10年から15年程度の耐久年数が期待できるでしょう。また、ポリエチレン樹脂などを含んでいるため、天然木のように水や湿気の影響を受けて腐ってしまう心配がありません。

 

ただし、人工木だからといって劣化しないわけではありません。当然、紫外線の影響を受けて日々経年劣化は進行するため、半永久的に使用できるわけではないことを理解しておきましょう。

人工木は、あくまで安価な木材と比較すると耐久性や腐食に優れている素材ということになります。

 

メンテナンス性が良い

人工木で取り上げるべき大きなメリットの一つが、お手入れが非常に簡単ということです。一般的な天然木を使用したウッドデッキは、経年劣化の影響を受けるため、定期的な塗り替えを行いメンテナンスをしなければなりません。

天然木の場合、メンテナンスの頻度は多く発生します。例えば、浸透性の防腐塗料などは効果の持続期間が1年から最大でも3年程度なので、短いスパンで塗り替えをしなければなりません。

また、塗り替えメンテナンス以外にも、湿気や水がたまらないように掃除を徹底するといったお手入れも必要になるでしょう。

一方で、人工木は塗り替えなどのメンテナンスは必要としません。日々のお手入れも簡単な掃除で済ませることができるので、メンテナンス性は非常に優れている一面があります。

 

カラー展開が豊富

人工木が魅力的な理由として、選択できる色の展開が豊富という点も挙げることができます。色展開が豊富だと、建物や庭先の雰囲気を考慮しながら色味を決めることが可能です。人工木を選択する理由の一つとしても利用できます。

また、色の展開は、各メーカーにより異なります。
例えば、LIXILの「樹ら楽ステージ」では、以下のような展開です。

・グレーウッド
・ダークウッド
・ペールウッド
・ミディアムウッド
・ライトウッド
(※記事掲載時点での展開)

このように、どんな建物や庭先の雰囲気にも合うよう、自然で落ち着いた雰囲気の色展開がされています。
自分の好みなどでも色を選択でき、ウッドデッキを施工した場所はお気に入りの場所にもなるかもしれません。

ただし、人工木のウッドデッキは経年劣化が多少なりとも起こります。天然木のデッキは大きく変色しますが、人工木は色落ちするくらいの変化になるため、気になる場合は注意が必要です。

費用対効果が高い

ウッドデッキで人工木を採用するメリットとして、費用対効果が高いという点が挙げられます。例えば、天然木のソフトウッドは安いので、設置する際の初期費用は比較的安く抑えられるでしょう。

ただし、1年に1回浸透性塗料で塗り替えをしなければならないため、比較的メンテナンスコストがかかってしまう一面があります。一方、人工木の場合、耐久年数が10年から15年ほど見込まれるだけでなく、塗り替えメンテナンスは必要ありません。

15年間における維持コストを比較した場合、人工木で仕上げたウッドデッキはソフトウッドのものよりも圧倒的にコストパフォーマンスに優れています。そのため、ウッドデッキの資材選定をする際には、設置後のメンテナンスも含めた費用対効果を見ておく必要があるでしょう。

 

ウッドデッキで人工木を選ぶ場合のデメリット

ウッドデッキに人工木材を選択した場合、以下のようなデメリットがあります。

・質感のリアルさがない
・直射日光で熱くなりやすい

メリットの多い人工木のウッドデッキですが、いくつかの欠点は存在します。

設置後に後悔しないためにも、事前にどのようなデメリットがあるのかを把握しておきましょう。

ここからは、ウッドデッキに人工木を選択した場合のデメリットについて解説します。

質感のリアルさはない

天然木を採用したウッドデッキの場合、天然ならではの木目や風合いを楽しむことができます。一方で人工木の場合、木目などは再現性が高いものの、天然木の持つ本来の質感は再現しきれていません。

また、天然木の場合、経年劣化とともに味わいが出てきます。そのため、見た目が少しずつ変化するのも天然木ならではのメリットといえるでしょう。

このような観点だと、人工木は経年劣化で味わいが出ることはありません。そのため、質感を優先してウッドデッキを求めている場合は、人工木ではなく天然木を使用したウッドデッキにするべきといえます。

 

直射日光で熱くなりやすい

人工木のデメリットとしては、直射日光でウッドデッキ自体が熱くなりやすい点が挙げられます。

これは、人工木が樹脂製であることが原因です。

 

先でも解説した通り、人工木はプラスチック系の成分と、木粉を配合してつくられています。このプラスチック系の材料は、熱を溜めやすい性質を持ち、夏場の炎天下にさらされると素足で乗ることは難しいです。

一方で、天然目のウッドデッキは、人工木ほど熱を溜め込むことはありません。

 

なお昨今では、この問題を解決するため、各メーカーが遮熱性塗料を使用して対策していることが多いです。遮熱性塗料を使用した製品であれば、表面温度の上昇を防ぐことができます。

人工木を検討する際は、この点も確認してみてください。

人工木ウッドデッキの施工費用相場

人工木のウッドデッキは、設置するサイズ・商品のグレードなどにより、費用相場が大きく異なってきます。

そのため、ウッドデッキをリフォームする際の詳細な費用については、施工店などに必ず見積りを依頼し、確認することが大切です。

 

なお、一般的な人工木は、材料・施工費込みで、1㎡あたり4~8万円程度が費用相場となります。

例えば、幅が約4m、奥行が約2mのウッドデッキを施工する場合は、面積は8㎡。
そのうち最大の費用がかかると仮定すると、「8㎡×8万円=64万円」が予算といえるでしょう。

この費用相場を目安にすれば、ご自宅の施工したい場所や、欲しい大きさのウッドデッキがどのくらいの金額であるかの予測はつけられます。

しかし、実際の施工場所の状態や、施工の内容によっては別途、作業費や撤去費が追加されます。
予測した費用相場よりも多めに予算を取っておくと安心かもしれません。

デメリットの少ない人工木ウッドデッキはどれ?

人工木のウッドデッキには、様々な種類があります。販売しているメーカーも様々です。

その中でもオススメの商品を、メーカー別に3点紹介いたします。

 

・LIXIL「デッキDS」
・三協アルミ「「ヴィラウッド」
・YKKap「リウッドデッキ200」

 

上記の製品は、人工木ウッドデッキにおけるデメリットの解消や、便利な機能を持っています。

ここからは、比較的デメリットの少ない人工木ウッドデッキ製品の解説です。

LIXIL「デッキDC」

LIXIL(リクシル)から発売されている人工木ウッドデッキ「デッキDC」は、熱さを感じにくい加工が施されているウッドデッキです。

一般的な人工木の特徴として、太陽光の影響で熱を蓄えやすいという点があります。そのため、日差しの強い時間帯やその後などは、裸足でウッドデッキを歩くことはほとんど不可能です。

しかし、この「デッキDC」は、蓄熱しにくい構造と、熱が伝わりにくい樹脂材の採用をしています。この双方が作用して、夏場の炎天下においても、天然木デッキと同等の体感温度まで抑えることができているのです。

ウッドデッキを施工する際に、デッキ本体の熱さが気になる方にオススメの商品といえます。

三協アルミ「ヴィラウッド」

三協アルミから発売されている「ヴィラウッド」は、温度上昇を防ぐことのほか、静電気を抑制できるタイプもあります。

温度上昇の面では、改訂前の同社商品に比べ、熱分布を抑えられる仕様に。遮熱顔料を人工木の表層に含んでいます。

日の当たりやすい場所でも、気兼ねなく使えることが特徴です。

また、静電気は、人工木では多少なりとも起こりうる現象ですが、この製品では表面に特殊仕上げを行っています。こちらも、安心して使用できる内容のひとつです。

YKKap「リウッドデッキ200」

YKKapから発売されている「リウッドデッキ200」は、熱さを低減する昇温抑制効果があります。しかし、この機能がある色味が限られているというところがポイントです。

今回に紹介した商品と最も異なる点は、高硬度の表面層を持つ点です。また、暑さによって起こるウッドデッキの反りが小さくなるよう、デッキ材が薄く製造されています。

他にも、ウッドデッキの連結目地を塞ぐことのできる塞ぎ材がオプションにあります。カードなどの細いものが落ちないような構造になっているのも、他にないメリットです。

 

おわりに

人工木のウッドデッキは、ポリエチレン樹脂などのプラスチック類と木粉を配合して作られている製品です。天然木のように塗り替えが必要ないので、メンテナンス性や耐久性にも優れている特徴があります。

ただし、熱を蓄えやすい性質があるので、夏場に熱くなってしまうというデメリットがあります。また、天然木のような質感がない点もデメリットとして挙げられるでしょう。

一方で、これらのデメリットを解決したような製品も発売されています。そのため、人工木を検討している方は製品の性質や質感をよく調べながら選ぶとよいでしょう。