はじめに
外構リフォームのなかでも人気の高いウッドデッキは、設置することで、自由に活用できるスペースを作ることができる魅力があります。しかし、ウッドデッキが腐らないか?また、耐久性やメンテナンス性が気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、主にウッドデッキが腐ってしまう原因や環境について解説します。あわせて、腐りにくいウッドデッキの種類や腐らないようにするためのポイントなども解説しますので、ウッドデッキの施工にお悩みの方は参考にしてください。
福田造園の簡単な歴史
1964年に創業。石屋からはじまり、名古屋城の石垣や公共の工事を手がける。ハウスメーカーの下請けを経て、「お客様の笑顔や感想を直接いただきたい」という想いのもと、外構・エクステリア屋として独立。外構・エクステリア・お庭工事などに関して、提案、製図、施工管理という全ての工程を自社で行っています。培ってきた造園屋としての知識、エクステリア・外構屋としての知識をいかんなく発揮し、お客様ひとりひとりに合った、より快適な生活を過ごしていただけるよう努めています。
ウッドデッキとは
ウッドデッキとは、木材や人工木を利用して作られているテラスのことをいいます。ウッドデッキは家から庭へ続く場所に設置することが多く、以下のようにさまざまな活用方法があります。
・洗濯物を干す
・DIYの作業場として使う
・子どもやペットの遊び場にする
・セカンドリビングとして活用する
・ガーデニングに使う
このように、ウッドデッキはアイデア次第で多彩な活用方法が生まれます。そのため、外構リフォームでも非常に人気が高いのです。
ウッドデッキが腐る原因と環境について
木製のウッドデッキを施工する場合は、いくつかの腐ってしまう原因について注意すべきしておきましょう。どのような環境だと腐ってしまうのかを事前に知っておくことで、ウッドデッキをより長く快適に利用できます。
ここからは、ウッドデッキが腐ってしまう代表的な原因と設置環境について詳しく解説します。
日当たりが悪い
日当たりの悪い場所にウッドデッキを設置してしまうと、腐りやすくなる原因となります。
例えば、雨が降った際に日当たりが悪いと、乾燥しにくく水気が残った状態になるからです。ウッドデッキは木材であるため、水気が残ったままだと腐食しやすくなります。
また、長期間乾燥せずに湿気のある状態が長く続いた場合も注意しましょう。なぜなら、カビや藻・コケといった微生物が繁殖してしまうこともあるからです。
このように、日当たりの悪い場所にウッドデッキを設置すると、様々な弊害が起こります。湿った状態のままだと木材が腐ってしまいやすい、ということを理解しておきましょう。
水はけが悪い
日当たりの悪い環境以外にも、水はけが悪いとウッドデッキが腐りやすくなります。例えば、デッキ部分に勾配がない状態で設置をした場合、水はけが悪く水もたまりやすい状態になってしまいます。雨が降っても水が流れていくことがなく、止んだ後もしばらくの間水が滞留してしまうでしょう。
このような状況が長く続くと水が木に浸透してしまうため、最終的にはウッドデッキが腐ってしまうわけです。そのため、ウッドデッキを設置する際には、水はけを考慮した勾配調整を行っておくことが重要になります。
腐りにくいウッドデッキの種類
水気に弱く腐りやすいと思われがちなウッドデッキですが、木の種類によっては、メンテナンスが少なく済むような耐久性の高い木材も存在するのです。
ここからは、そんな腐りにくいウッドデッキについての解説をしていきましょう。
腐りにくい木材とは
そもそも、腐りにくい木材とはどういったものでしょうか?
簡単に言うと、木の幹に含まれる物質が、腐食を引き起こす原因(木材腐朽菌)に対してどのくらい抵抗力を持つかによって、耐久性が決まります。
主に、熱帯地方の木材は、腐木材腐朽菌が多く存在しており、それに耐えるために木の幹が強いです。そのため、チーク・メルバウ・イペといった木は、耐久性が高い木材として有名で、よく利用されています。
続いては、「腐りにくい木材」のうち、いくつかの種類の紹介です。
ハードウッド
天然木材は、「ソフトウッド」と「ハードウッド」の2種類が存在します。
ソフトウッドは針葉樹から取れる、その名の通り柔らかな木材です。そのため、加工がしやすく、DIYなどで多く使用されます。
反対に、ハードウッドは広葉樹から取れる、密度の高くて重い木材です。丈夫なことが特徴ですが、加工が難しいため、DIY初心者のなかではあまり使用されません。
しかし、ソフトウッドと比べると耐久性は段違いで、あまりメンテナンスも必要ありません。たとえば、イタウバという木材は、参考耐用年数が30年とされています。経年劣化による色あせはあれど、”持ち”の面では優秀な木材といえるでしょう。
こういった優秀な能力のあるハードウッドは、公共の工事でも多く使用されています。実績は折り紙つきというわけですね!
そんなハードウッドと呼ばれる木材は、以下のようなものがあります。ハードウッドを検討の際は、参考にしてください。
・イタウバ
・セランガンバツ
・ウリン
・ヒノキ
・イペ
水に強い木材
どれだけ水はけをよくしたとしても、雨水が残ることは多々あります。その度に庭に出て、水分をふき取る…なんていうことは、なかなかできません。
そこで、水に強い木材を選択することで、ウッドデッキのメンテナンスをする回数を減らせるようにしてしまうのはいかがでしょうか。
水に強い木材は、以下のようなものがあります。
・ヒノキ
・スギ
・チーク
・ナラ
・セランガンバツ
カビに強い木材
木材が濡れたまま長い時間が経ってしまうと、カビが発生しやすくなります。特に雨季は、雨や曇りの日が続くことも多いでしょう。
しかし、カビに強い木材を使用することで、カビが発生する不安も少なくて済むかもしれません。
カビのつきにくい木材は、以下の通りです。
・ヒノキ
・ヒバ
・ベイスギ
例えば、ヒノキは抗菌作用が強く、含まれる抗カビ成分がカビの生育を抑えるはたらきをします。このような成分は、ウッドデッキのみでなく、我々使用者に対しても有効といえるでしょう。
人工木材(樹脂)
人工木(樹脂)とは、自然の木材に似せて作られている工業製品です。プラスチック類(ポリエチレン樹脂やポリプロピレン)とオガクズ(木粉)を混ぜて作られており、この木粉の配合が多いとより自然な木材の風合いが表現されやすい傾向にあります。
人工木材は、そのほとんどが樹脂であるため、一般的な木材よりも腐りにくい性質を持ちます。そのため、シロアリなどの害虫も寄りつきにくいです。また、素材としての劣化が起きにくく、長期的にウッドデッキの品質を保つことができます。
そして、最たるメリットは、メンテナンス性に優れることです。ソフトウッドで行う防腐処理など、特別な措置は必要ありません。
もし汚れてしまって掃除したい、というときでも、基本的には簡単な水洗いを行うだけで完了します。日頃のお手入れを簡単にしたい方にもおすすめの素材といえるでしょう。
ウッドデッキを腐らないようにするためのポイント
ウッドデッキは、メンテナンスやお手入れをしなければ思いのほか経年劣化が進んでしまい、腐ってしまうことがあります。ウッドデッキの状態を長期的にきれいに維持するためにも、どのようなポイントに注意しておく必要があるのか理解しておきましょう。
そこでここからは、ウッドデッキを腐らせないために重要な5つのポイントについて紹介します。
設置場所を考慮する
ウッドデッキを腐らせないためには、まず設置する場所をきちんと考慮して決定しましょう。先にも解説した通り、ウッドデッキは日当たりの悪い環境に設置すると、湿気や水気の影響で腐りやすい傾向にあります。
そのため、ウッドデッキを設置するポイントとしては、湿度が高い場所は避けることが大切です。特に、日当たりの悪い場所は湿気が溜まりやすくなるため、注意しましょう。
設置個所としてオススメなのは、風通しが良い場所です。日当たりがすごく良いといえずとも、風通しが良ければカビも発生しにくいため、設置環境としても問題ないでしょう。
ただし日当たりについては、良すぎると、紫外線の影響でウッドデッキが劣化しやすくなります。この場合は、日よけやテラス屋根などで対策を行うとよいでしょう。
防腐塗装をする
天然木を使用したウッドデッキの場合、防腐塗装をすることで腐食を抑えることが可能です。
木材の腐食は、紫外線による劣化によっても引き起こされることがあります。屋外環境に設置するウッドデッキは、紫外線の影響を受けて日々経年劣化が進行するため、これを防ぐには定期的な塗装メンテナンスを行わなければなりません。
なお、この際に使用する塗料には<浸透性タイプ>と<造膜タイプ>の2種類が存在します。
浸透性タイプは、木の木目を生かして仕上げることが特徴です。ただし、比較的耐久性が短く、1年から3年スパンで定期的に塗り替えメンテナンスをしなければなりません。
造膜タイプの場合は、木目は生かすことができない一方で、耐久性が比較的長い塗料を選択できます。塗料のランクにもよりますが、5年以上もつような高耐久塗料が一般的です。
このように、塗装を行うことによって腐食を抑えることが可能です。仕上がりの風合いに差があるため、どちらにするかはよく検討する必要があります。
長期的にきれいな状態を保つためにも、塗り替えメンテナンスは必ず行いましょう。
定期的な掃除をする
ウッドデッキの腐食を進行させないためには、定期的に掃除を行うことも重要です。ウッドデッキは屋外にあるので、砂ぼこりや落ち葉など、さまざまな汚れが滞留しやすい環境といえます。
これらを放置するとウッドデッキが傷んでしまいやすくなるため、定期的に掃除をしなければなりません。なお、基本的には掃き掃除をして汚れが蓄積しないようにするだけで十分です。
ただし、半年に一回程度は高圧洗浄機を用いて汚れを除去していくのがおすすめです。高圧洗浄機を使用すれば、ウッドデッキの細かい凹凸部分にこびりついた汚れも簡単に落とすことができます。
また、高圧洗浄なら掃き掃除では除去できないコケや藻、カビなどの微生物も除去することができます。劣化の原因となる微生物もきれいに除去できるため、掃き掃除とは別に高圧洗浄によるお手入れも定期的に行うようにしましょう。
作業は晴れた日にする
新しくウッドデッキを作る際には、晴れている日に作業しましょう。これも、木を腐らせない上では重要なポイントです。
例えば、雨天時に加工作業を行うと、切断面から水分を多く浸透させてしまいます。これが木を腐らせる原因になってしまうのです。
また、木材に浸透性塗料などを塗装する場合、水気がある状態では塗料が浸透しなくなってしまいます。規定量が浸透しない状態では、色味がうまく出せなくなるのはもちろんのこと、その後の耐久性にも影響してしまうので注意しましょう。
なお、塗装の場合は施工後も3日間程度は乾燥期間を設けなければなりません。そのため、浸透性塗料を使用して作業を行う際には、週間天気予報などもチェックしながら塗装作業のタイミングを見極めましょう。
勾配や水はけを考慮する
常時水気や湿気がある環境は、ウッドデッキを腐らせてしまう原因になります。そのため、ウッドデッキを施工する際には、水分がウッドデッキにとどまらないような対策をしなければなりません。
例えば、ウッドデッキに勾配をつけて水はけを良くすると効果的です。緩い勾配を作っておくことで、雨が降っても自然に水がはけて、水がたまりにくく腐りにくい環境にすることができます。
なお、勾配調整以外にも、ウッドデッキの床材に隙間を設けることで水はけを良くすることができます。隙間なく床材を敷き詰めると仕上がりはきれいに見える一方で、水はけが悪くなってしまうのです。
そのため、一定間隔で隙間をきちんと設けつつ、水はけの良い環境にしておくという方法も木を腐らせないポイントといえるでしょう。
まとめ
ウッドデッキは、洗濯物を干したり、アウトドアスペースに使用するなど、アイデア次第でさまざまな活用方法が試せる屋外空間です。
利便性も高く人気なウッドデッキですが、日当たりが悪かったり、水はけが悪かったりすると腐りやすいため注意する必要があります。
ウッドデッキに使用する材料の中には、一般的な木材よりも腐りにくいタイプがいくつか存在します。選ぶ材料によって腐りにくいウッドデッキにすることも可能なので、事前にどのようなタイプを使用すべきか入念に検討してみましょう。
また、今回解説した、ウッドデッキを腐らせないために重要なポイントも考慮して設置することが大切です。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ウッドデッキの導入でお困りの際は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
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