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カーポートの適切な高さとは?基準や選び方を徹底解説!

はじめに

雨や風などの外的要因から車を保護できるカーポートは、エクステリアのリフォームとして非常に人気が高いです。
しかし、設置した後に屋根の高さを変更することは容易ではありません。そのため、事前にどのくらいの高さにするかが重要といえます。
カーポートを設置して後悔しないためにも、適切な屋根の高さを選びましょう。

福田造園の簡単な歴史

1964年に創業。石屋からはじまり、名古屋城の石垣や公共の工事を手がける。ハウスメーカーの下請けを経て、「お客様の笑顔や感想を直接いただきたい」という想いのもと、外構・エクステリア屋として独立。外構・エクステリア・お庭工事などに関して、提案、製図、施工管理という全ての工程を自社で行っています。培ってきた造園屋としての知識、エクステリア・外構屋としての知識をいかんなく発揮し、お客様ひとりひとりに合った、より快適な生活を過ごしていただけるよう努めています。

写真:福田造園

カーポートの高さはどれくらいが良いのか?自宅に合う選び方

カーポートの高さを決める際には、いくつかの要因を考慮する必要があります。ご自身の利用環境に適したカーポートを選ぶことで、設置後の利便性も向上し、使いやすい環境にすることができます。

では、実際にカーポートの高さを決める際に重要な2つのポイントについて紹介します。

車の全高+30cm~50cmを目安にする

カーポートの高さは、地面から梁の部分までを指しています。

梁とは、簡単に言うと、屋根の最も下側という意味です。

 

このため、設置する高さを決める際には、車の全高+30cm~50cmを目安にするのがオススメです。

車の全高については車種によって異なるため、現在乗っている車の全高は別途調べておきましょう。

 

なお、道路運送車両法では、自動車の種類によりボディサイズの制限が決められています。

こちらも参考にするとよいでしょう。

 

排気量

全長

全幅

全高

軽自動車

660cc以下

3,400mm以下

1,480mm以下

2,000mm以下

小型自動車

5ナンバー)

2,000cc以下

4,700mm以下

1,700mm以下

2,000mm以下

普通自動車

3ナンバー)

2,000cc

12,000m以下

2,500mm以下

3,800mm以下

買い替えの可能性を考慮する

カーポートの高さを決めるうえで重要なポイントは、将来的な買い替えの可能性も考慮することです。

例えば、現状では小型自動車に乗っていたとしても、家族構成やライフスタイルの変化によって、車種を変更する可能性もあります。

そのため、現在の状況だけで判断するのではなく、将来的な予測を行うことが重要です。買い替えによる車種変更を考慮することで、カーポートも長期間使い勝手の良い状態を保つことができます。

カーポートの高さには種類がある!柱タイプ3種類の特徴紹介

カーポートの高さを決める柱の長さは、基本的は3種類に分類することができます。

柱のタイプによって特徴が異なるので、事前にどのような種類があるのかを確認しておくことが重要です。

 

では、ここからカーポートの高さを決めるうえで知っておきたい柱のタイプを紹介します。

標準柱

カーポートで使用されている基準となっているのが、標準柱です。

標準柱の有効高は180cm~200cm程度です。主に、セダンやスポーツカーのような車の全高が低い場合に採用します。

 

屋根の下までの高さが比較的低くなるため、車と屋根の間に隙間が生じにくいという特徴があります。そのため、雨や雪などが吹き込みにくく、車をきれいな状態で維持できるでしょう。

ロング柱

ロング柱は、有効高が230cm~250cm程度あります。標準柱よりも有効高があり、車の全高が高めでも駐車することが可能です。
例えば、標準柱で紹介したセダンやスポーツカーなど全高が低い車はもちろんのこと、バンタイプの車種も駐車できます。

また、駐車スペースとしての活用方法だけでなく、DIYの作業スペースとしても活用することが可能です。

 

その他にもメリットとして、価格面で標準柱とそれほど差がない点が挙げられます。
標準柱よりも有効高があるにもかかわらず、価格面で大差がないというところは、標準柱とロング柱のどちらを選ぶかお悩みの方には決めやすい要素のひとつです。

ハイロング柱

ハイロング柱は、有効高が280cm~300cm程度と、最も有効高が確保されているタイプです。
例えば、車高の高いハイエースなどの車種でも、問題なく停めることができます。

 

また、有効高が多く確保されていることで、圧迫感が生じにくいのも特徴です。開放感を持たせたい方にはピッタリといえるでしょう。

しかし、他の柱よりも価格面では高くなる傾向にあるため、デメリットに感じてしまうこともあります。

【メーカー別】カーポートの高さ基準を比較

カーポートの高さというのは、製造するメーカーによって若干サイズが異なります。

そのため、高さについてこだわりのある場合は、以下の表を参考にしてみてください。

 

▼カーポートの販売がある代表的なメーカーにおける、主力商品の高さ基準

 

メーカー

商品名

標準柱

ロング柱

ハイロング

LIXIL

ネスカ

2,200

2,500

2,800

三協
アルミ

カムフィ
エース

2,250

2,500

2,750

YKK AP

レイナ
ポート

2,000

2,355

2,800

 

このように、各メーカーは、上記で紹介した3種類の柱を用意しています。
ただし、メーカーによって柱の呼び名やラインナップに若干の違いがあるため、カタログで確認すると安心です。

 

また、上記のメーカー以外にも、高さのバリエーションが用意されている場合があります。

例えば、四国化成の「スマートポートR」というカーポートでは、標準高・中延高・延高・高延高といった4種類が用意されています。
細かく高さを調整したい場合は、高さの種類が多いカーポートを選んでみるのも選択肢の一つです。

カーポートの高さによるメリット・デメリットを確認しよう

カーポートの高さは、高い場合と低い場合でそれぞれのメリット・デメリットがあります。カーポートの高さを決める前には、どのようなメリット・デメリットがあるのかを把握したうえで検討しましょう。

 

ここからは、カーポートの高さによるメリット・デメリットについて紹介します。

 

屋根の高いカーポートのメリット

屋根の高いカーポートのメリットは以下の通りです。

 

1)将来的に車種の制限を受けにくい

2)圧迫感が生じにくく、開放的

 

屋根の高いカーポートは、一般的なボディサイズの車はもちろんのこと、大型サイズの車種も停めることができます。そのため、将来的に車種を変更する際にも、制限を受けにくいです。

また。天井高が広く確保されているため、圧迫感が生じにくく、開放的になる一面もあります。

屋根の高いカーポートのデメリット

屋根の高いカーポートのデメリットは以下の通りです。

 

1)雨風が吹き込みやすい

2)メンテナンスしにくい

 

カーポートは、屋根が高くなるにつれて雨風は吹き込みやすくなります。また、日光も当たりやすくなってしまうため、立地条件や日差しの角度によっては車に紫外線が当たり、傷みやすくなる場合があるでしょう。

そして、屋根が高いため、屋根の上を掃除する際や除雪などのメンテナンスがしにくくなることもデメリットです。

屋根の低いカーポートのメリット

屋根の低いカーポートのメリットは以下の通りです。

 

1)雨風をしのぎやすい

2)メンテナンスしやすい

 

屋根が低いカーポートは、雨風をしのぎやすいメリットがあります。紫外線もカットしやすく、車も傷みにくくなります。

また、屋根の高さ自体が低いので、屋根の掃除や除雪といったメンテナンスがしやすいという点もあります。

屋根の低いカーポートのデメリット

屋根の低いカーポートのデメリットは以下の通りです。

 

1)車種の制限がある

2)圧迫感が生じやすい

 

屋根の低いカーポートでは、買い替えなどを検討した際に選ぶ車種に制限が出てしまいます。例えば、バンタイプなどの背の高い車種に変更したいとなると、背の低いカーポートでは駐車ができません。

また、圧迫感が生じやすいため、開放感を求める方には不向きだともいえるでしょう。

カーポートの高さを決めるときに確認したいポイント

カーポートの高さを決める際には、いくつかのポイントを確認しておく必要があります。注意点を考慮せずに高さを決めてしまうと、後々使い勝手が悪く感じる可能性もあるため、慎重に決めましょう。

では、ここからはカーポートの高さを決める際、具体的にどのような点に注意すべきかを解説します。

地面の勾配・傾斜

駐車場のコンクリート床(土間)は、雨水などが溜まらないように、勾配という緩やかな傾斜が取られています。傾斜、というほど傾いてはいないので、普段は気付かないかもしれません。この勾配は、道路側に水がはけるように取られています。つまり、駐車場の奥の方は少し高くなっているのです。

このため、カーポートを取り付ける際、前方の柱と後方の柱では長さが変わります。前方で車高に余裕があっても、後方ではカーポートの屋根と車の屋根がギリギリになってしまう可能性があるのです。

もしカーポートの高さを迷っている場合には、地面の勾配や、土地の傾斜を考慮したうえで選択する必要があります

土地の形状によっては、前方と後方で10cm以上の差が出るケースもあるため、注意が必要です。

ハッチバック(リアゲート)の高さ

カーポートの高さを選択する際には、車のリアゲートについても考慮する必要があります。最近の車種には片開きや観音開きなども増えてきていますが、一般的にリアゲートは上へ開くタイプが多い傾向です。

このリアゲートを全開にした場合、基本的に車の全高よりも地上高が高くなります。例えば、車の全高が180cm以下の車種でも、リアゲートを全開にすると200cmを超えることがあります。

要するに、リアゲートを開いた際の地上高を考慮してカーポートの高さを選ぶ必要があるということです。カーポート設置後にリアゲートが開きにくくならないよう、日々の利便性も考えて高さを選びましょう。

 

アンテナの高さ

自動車には、ラジオ放送やワンセグ放送を受信するアンテナが設置されています。このため、アンテナの高さを考慮しておくことも重要です。
ですが、比較的年式の新しい車種の場合については、シャークフィンアンテナや、コンパクトポールアンテナと呼ばれる小型のアンテナが設置されているので問題ありません。

 

しかし、車種によってはロッドアンテナと呼ばれる伸縮可能なアンテナが取り付けられていることもあります。
この場合、カーポートの高さが低いと接触する可能性もあるため、アンテナが干渉しない高さにするなど、アンテナの高さを考慮して選ぶことも重要です。

 

カーポートの高さが欲しい場合のオススメタイプ

カーポートの柱には、いくつかの種類が存在します。柱の支持タイプによっても高さに影響が出るため、カーポート選定をする際には柱の支持タイプもチェックすることが非常に重要です。

ここからは高さを確保したい時に確認すべき支持タイプの種類について紹介します。

片支持タイプ

片支持タイプのカーポートは、左右いずれか片側のみに柱を設置して屋根を支える構造のカーポートです。柱が邪魔になりにくいレイアウトなので、駐車がしやすくなるメリットがあります。

比較的天井の空間を広く確保できるので、高さが欲しい場合に適しているカーポートです。なお、屋根の形状も緩やかにカーブを描くアール型などを採用することで、より広い空間を確保することも可能です。

また、片支持タイプは1台用の場合、設置費用を抑えることができるので、なるべくコストを抑えて設置したい方にもおすすめだといえます。

 

後方支持タイプ

後方支持タイプのカーポートは、後ろ側に柱を設置して屋根を支える構造のカーポートです。柱が後方にしかないので、車の乗り降りでドアが柱に干渉することもなく、使い勝手も良いレイアウトです。

なお、後方支持タイプに設置されている屋根というのは、手前側が高く奥側に向かって低くなるように勾配が取られています。そのため、見た目がスッキリしているほか、開放感があります。

ただし、柱にかかる負荷も大きいため、強度を確保するために基礎を広く取る必要があります。そのため、ある程度のスペース確保が条件で、設置コストも片支持タイプよりも高価になってしまうデメリットがあります。

おわりに