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ウッドデッキを塗り替えよう!塗装の必要性から作業手順まで

はじめに

ウッドデッキに天然木を使用している場合、定期的に塗り替えメンテナンスをしなければなりません。しかし初心者の方にとっては、どのような手順で塗り替えをすれば良いのか分からないというケースも少なくありません。

そこで今回の記事では、ウッドデッキの塗り替えが必要な理由を解説するとともに、作業手順について徹底解説します。また、ウッドデッキの塗り替えを行う時期や塗料の種類も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

福田造園の簡単な歴史

1964年に創業。石屋からはじまり、名古屋城の石垣や公共の工事を手がける。ハウスメーカーの下請けを経て、「お客様の笑顔や感想を直接いただきたい」という想いのもと、外構・エクステリア屋として独立。外構・エクステリア・お庭工事などに関して、提案、製図、施工管理という全ての工程を自社で行っています。培ってきた造園屋としての知識、エクステリア・外構屋としての知識をいかんなく発揮し、お客様ひとりひとりに合った、より快適な生活を過ごしていただけるよう努めています。

写真:福田造園

ウッドデッキの塗り替えが必要な理由

天然木ウッドデッキを定期的に塗り替えるのは、以下の理由があります。

 

・美観性の維持

・木部保護

 

塗装の重要性を理解するためにも、初心者の方はどのような理由で塗り替えをする必要があるのか、その必要性について確認しておきましょう。

 

ここからは、天然木ウッドデッキの塗り替えが必要な理由について詳しく解説します。

美観性の維持

塗り替えが必要になる理由の大きな一つは、美観性を維持できるということです。木材をそのまま使用すると何も着色されていませんが、塗装をすることできれいに仕上げることができます。

 

例えば、そのままの状態では味気なさの残る自然素材の木材も、塗装して着色することにより、美しくきれいな外観にできるというメリットがあります。
外壁の色お家の雰囲気に合わせた色合いにすることで、お家全体で見たときの外観も美しくなります。

木部保護

屋外環境に置かれているウッドデッキは、紫外線や雨風の影響によって劣化が日々進行します。自然素材である天然木は、人工木よりも早く傷むため、放置していると思いの外腐食が進行してしまうため注意が必要です。

 

木材の腐食が進む原因は、大きく分けると以下の3種類となります。

 

・紫外線

・菌

・虫

 

はじめに、太陽光に含まれている紫外線には、木材を分解させる強い作用があります。そのため、木材は長期間紫外線にさらされると、徐々に痩せ細っていき劣化症状が起こり始めます。

 

次に、菌も木材の腐食を進めてしまいます。例えば、代表的な菌として木材腐朽菌が挙げられますが、この菌には木材を分解する性質があるため、繁殖すると腐朽が進んで木材としての強度を著しく低下させてしまいます。

 

最後の劣化要因として「虫」が挙げられます。木の天敵とも知られるシロアリなどの害虫は、木材を食べてしまうため、侵食が進むと木材がスカスカになって強度が大きく低下してしまいます。

 

このようなさまざまな劣化要因から木材を保護する役割が「塗装」なのです。

ウッドデッキを塗り替える時期について

ウッドデッキを良い状態で保つためには、2~5年周期で塗り替えるのがおすすめです。また、塗り替えを実施するタイミングを見極めるためには、木材の劣化症状を知っておかなければなりません。

 

ここからは、ウッドデッキの塗り替えメンテナンスを行う時期に最適なタイミングと、塗り替え時期を見分けるための劣化症状を紹介します。

2~5年周期

先にも解説した通り、屋外環境に置かれている木材は日々劣化が進行するため、最初はきれいな状態だったウッドデッキの塗装も徐々に劣化します。そのため、再度塗装を行う必要がありますが、おおよその目安として2~5年周期で再塗装をすると良いでしょう。

 

劣化が進み過ぎてしまう前に再塗装のメンテナンスを行えば、木材を傷めることがないため耐久性も高くなる傾向にあります。一方で劣化した状態を放置してしまうと、木材自体の腐食も進むため、耐久性を著しく低下するので注意が必要です。

 

ウッドデッキを良い状態で長く使用するためにも、2~5年周期で再塗装を実施しましょう。

塗り替え時期を見分ける劣化症状

塗り替えのサイクルとは別に、塗装時期を見分けるために劣化症状を知っておくと、適切なタイミングで再塗装を行えます。

 

ウッドデッキの塗り替え時期を見分ける代表的な劣化症状は以下のとおりです。

 

・色褪せ

・剥がれ

 

まず、もっとも見分けやすい劣化症状の一つが色褪せです。塗装も紫外線劣化を受けるため、着色顔料が徐々に色飛びすることにより、色褪せや変色を起こしていきます。そのため、塗装直後に比べて色褪せてきたと感じたら、塗り替える時期といえるでしょう。

 

また、塗装の剥がれやひび割れなどの現象も、劣化が進んだ際に出る代表的な症状です。塗装が剥がれて素地が見え始めてきたら塗り替え時期なので、一つの目安にしておきましょう。

ウッドデッキの塗り替えに最適な塗料の種類

天然木のウッドデッキを塗り替える際には、以下のような塗料の種類が最適です。

 

・浸透タイプ

・造膜タイプ

 

塗料には、木材に浸透して保護する浸透タイプと、木材の表面に塗膜を形成して材質保護を行う造膜タイプに分類できます。メリットとデメリットがそれぞれ異なるため、どのような特徴があるのか確認しておきましょう。

 

ここからは、塗り替えメンテナンスをする前に知っておきたい塗料の種類について解説します。

浸透タイプ

浸透タイプの塗料とは、木材の内部に浸透して表層部分に保護層が形成される塗料です。ウッドデッキでは多く使われているタイプの塗料ですが、主に以下のような特徴があります。

 

・木目を生かせる

・肌触りを損なわない

 

浸透タイプの塗料は、木材の内部に浸透することで保護層を形成するので、木目を生かして風合いのあるウッドデッキに仕上げることが可能です。また、木材そのものの肌触りを損なうことがないため、天然木ウッドデッキには適しているタイプといえるでしょう。

 

有名な塗料でいうと、大阪ガスケミカルから発売されている「キシラデコール」や、ドイツのオスモ社から発売されている「ウッドステインプロテクター」などが有名です。

造膜タイプ

造膜タイプの塗料とは、浸透タイプのように木材の内部に浸透するのではなく、木材の表面に塗膜を形成して木材を保護する塗料となります。造膜タイプにおいては、以下のようなメリットがあります。

 

・仕上げ色の選択肢が豊富

・木の質感を抑えることができる

 

造膜タイプは隠蔽力の高い塗膜を形成して色を再現するので、仕上げ色の選択肢が豊富というメリットがあります。日本塗料工業会では600色にも及ぶ標準色が用意されているため、ここで再現されている色は基本的に調色して使用することができます。

 

また、造膜タイプならば塗膜で木材を覆うので、木の質感を抑えることも可能です。表面に光沢を付けてエナメル調に仕上げられるため、木の質感をなくしたい場合には最適でしょう。

 

なお、造膜タイプのプロ用塗料では、日本ペイントの「ファインシリコンフレッシュⅡ」やエスケー化研の「クリーンマイルドシリコン」などが有名です。

ウッドデッキの塗り替え手順

ウッドデッキを綺麗に塗り替えるためには、以下の手順で塗装をしていきましょう。

 

1.洗浄作業

2.下地処理

3.養生

4.塗装

 

上記の手順で丁寧に塗り替え作業を進めることで、劣化したウッドデッキをきれいに仕上げることができます。新品の木材とは違い、劣化した素材を塗る際には注意点がいくつかあるため、一つずつ確認しておきましょう。

 

ここからは、初心者でも簡単にウッドデッキをきれいに仕上げるコツと手順を解説します。

洗浄作業

屋外環境に設置されているウッドデッキは、ホコリや砂が付着し、水はけが悪く湿気がこもりやすい環境ならば、コケや藻が発生していることがあります。汚れが付いた状態では塗装ができないので、まずは洗浄作業を行いましょう。

 

高圧洗浄機などがある場合は、効率よくコケや汚れを落とすことができます。なお、高圧洗浄機がない場合については、濡れ雑巾などを使用してウッドデッキを水洗いしましょう。

 

なお、ウッドデッキの木材は濡れた状態で作業を進められないため、洗浄後は完全に乾くまで乾燥養生の期間を設けてください。

下地処理

洗浄作業が完了したら、次に塗装前の素地調整として下地処理を行いましょう。下地処理ではサンドペーパーを使用し、塗装のハガレや洗浄工程では落としきれなかった汚れなどを丁寧に研磨してきれいにしていきます。

 

使用するサンドペーパーは、以下を参考に下地の状況に合わせて種類を変えてください。

 

・傷みが激しい場合:80〜120番

・傷みが少ない場合:180〜320番

 

電動ヤスリなどをお持ちの場合は、手作業よりも効率的に素地調整を行うことが可能です。下地処理を適当に終わらせてしまうと、耐久性にも影響が出るため、時間をかけて丁寧に素地調整を行いましょう。

養生

実際に塗装を始める前には、周囲に塗料が飛んで汚さないよう最初に養生を行います。なお、以下のような道具を使用するのがおすすめです。

 

・マスカー

・マスキングテープ

・ガムテープ

 

マスカーとは、ガムテープと養生ビニールが一体になった資材です。窓回りや床にマスカーを貼ることで、効率よく養生作業を行うことができます。なお、マスカーをとめ付ける際には、マスキングテープやガムテープを使用し、飛ばされないように固定しましょう。

 

なお、マスカーを使用しない場合は、不要な布シートを用意して床に敷くという方法でも、床を汚さないように養生できるのでおすすめです。

塗装

下地処理や養生などの前工程が完了したら、いよいよ塗装工程に移りましょう。ウッドデッキを塗装する際には、以下のような道具をそろえておくと便利です。

 

・使用する塗料(キシラデコールなど)

・ハケ

・コテバケ

・下げ缶

・ベンダー

 

上記の道具を用意したら、まず隅や端、デッキ同士の間部分など、細かい部分を先行して塗装します。その後、大きい面積(デッキ床部分など)の塗装を進めて行ってください。

 

隅や窓との取り合い部分などにはハケを、デッキ同士の間部分などはベンダーを使用して塗装しましょう。このベンダーとは、ローラーやハケでは塗装できない細い部分を効率よく塗れる塗装用具です。

 

次に、デッキの床といった広い面に関しては、コテバケなどを使用して塗装していきましょう。また、キシラデコールやオイルステインのような塗料は成分が沈殿しやすいので、適度にかき混ぜながら使用してください。

 

以上の流れで全体を塗装したら、同じように2~3回程度全体を塗装し、塗りムラや吸い込みムラをなくしてきれいに仕上げましょう。

ウッドデッキの塗り替えで注意すべきポイント

ウッドデッキの塗り替えで注意すべきポイントは以下のとおりです。

 

・乾燥時間を確保する

・腐食部分は交換する

・作業時の天候に注意する

 

ここからは、よりきれいで長持ちするウッドデッキに仕上げるために重要なポイントを詳しく解説します。

乾燥時間を確保する

ウッドデッキの塗り替えで重要なポイントは、きちんと乾燥時間を確保することです。例えば、洗浄した後に塗装工程に移る際には、木材が完全に乾くまで養生期間を確保する必要があります。

 

また、塗装を重ね塗りしていく際も同様に、1回目の塗装が完了して2回目の塗装に移る際には乾燥時間を確保しましょう。例えば、キシラデコールを重ね塗りする際には、気温20℃、湿度65%、木材含水率18%の条件で6時間以上(目安)の乾燥時間を確保する必要があります。

腐食部分は交換する

ウッドデッキの塗り替えにおいて、腐食部分がある場合は交換することが重要です。塗装はあくまで素材を保護する効果しかないため、既に腐食が進んでしまっている部分を直すことはできません。

 

そのため、腐食が進んでボロボロになっているような箇所については、部分交換するなど事前に補修工事を済ませておきましょう。

作業時の天候に注意する

ウッドデッキの塗り替えを行う際には、作業時の天候にも注意してください。塗装には乾燥時間を設ける必要があるので、塗った後に雨が降ってしまうと、せっかく塗った塗装をやり直す必要がでてきます。

 

このように、塗装をするタイミングは晴れている必要があるため、作業時の天候には注意しておくことが重要です。晴れ間が続くタイミングなどを見計らい、ウッドデッキの塗り替えを行いましょう。

おわりに

劣化したウッドデッキであっても、丁寧に塗装することで、綺麗なウッドデッキへと仕上げることができます。ウッドデッキは紫外線や雨風の影響で日々劣化が進行するため、2~5年の周期では塗り替えを行いましょう。

なお、塗装をする際には、乾燥時間などにも注意しながら適切なタイミングでの作業が重要です。本記事の作業手順を参考にしつつ、ウッドデッキをきれいに仕上げましょう。

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