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ウッドデッキの耐用年数はどれくらい?材質別の寿命を徹底解説!

はじめに

洗濯物や子どもの遊び場など、活用の幅も広く実用性の高いウッドデッキですが、屋外の環境に設置してあることから徐々に劣化が進行します。そのため、ウッドデッキの耐久性はどのくらいなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、ウッドデッキの耐久性はどのくらいなのか、材質別に徹底解説します。耐用年数が短くなる原因や耐用年数を延ばすポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

福田造園の簡単な歴史

1964年に創業。石屋からはじまり、名古屋城の石垣や公共の工事を手がける。ハウスメーカーの下請けを経て、「お客様の笑顔や感想を直接いただきたい」という想いのもと、外構・エクステリア屋として独立。外構・エクステリア・お庭工事などに関して、提案、製図、施工管理という全ての工程を自社で行っています。培ってきた造園屋としての知識、エクステリア・外構屋としての知識をいかんなく発揮し、お客様ひとりひとりに合った、より快適な生活を過ごしていただけるよう努めています。

写真:福田造園

ウッドデッキの耐用年数

ウッドデッキには主に以下のような種類があります。

 

・天然木(ハードウッド)

・天然木(ソフトウッド)

・人工木

 

ウッドデッキの耐用年数は、使用している材料の種類によって異なります。
まずは、どのようなウッドデッキを使用しているのか、または今後どのような素材のウッドデッキを設置したいのかを確認することが重要です。

 

ここからは、各素材のウッドデッキにおける耐用年数の目安を詳しく解説します。

 

天然木(ハードウッド)

ハードウッドに分類されている素材は、天然木の中でも非常に耐久性が長いという特徴があります。例えば、天然木には以下のような種類があります。

 

・ウリン(耐用年数50年)

・ヒノキ(耐用年数15年)

・ピキア(耐用年数15年)

・イタウバ(耐用年数30年)

・アマゾンウリン(耐用年数15年)

・セランガンバツ(耐用年数15年)

 

ウッドデッキでも多く使用されているヒノキやピキアなどは、耐用年数が15年程度とされています。公共工事でも多く使用されているウリンは、耐用年数が50年近くとされ、非常に高い耐久性があるとされています。

 

このようにハードウッドの天然木は、耐久性に優れており、持ちの良い材料として使用されています。塗り替えなどのメンテナンスも比較的必要ない素材のため、メンテナンスにかかるコストを大幅に抑えることができます。

天然木(ソフトウッド)

ソフトウッドは、天然木の中でも比較的安価な材料として使用されており、耐久性が低いという特徴があります。ハードウッドよりも柔らかい素材なので加工がしやすい反面、湿気やシロアリなどに弱く、耐久性が低いという一面もあります。

 

ソフトウッドには、主にスギやSPF材、赤松などの素材を用いることが多いです。素材としての耐久性は10年程度とされていますが、2年ほどで腐食が始まるので、定期的なメンテナンスをしないと早く朽ちる傾向にあります。

 

そのため、ハードウッドに比べると資材費は抑えられるものの、メンテナンスコストが高いためトータルコストが膨れてしまうでしょう。

人工木

人工木とは、木粉とプラスチック系の樹脂(ポリプロピレンやポリエチレン)を混ぜて成型した工業製品の一つです。人工木は天然の木材に似せて作られているため、まるで自然の木のような見た目をしています。

 

シロアリによる影響も少ない素材なので、一般的な木材よりも腐りにくく、長持ちするというメリットがあります。通常の環境であれば、15~20年程度の耐用年数が期待でき、ソフトウッドに比べて長持ちだといえるでしょう。

 

なお、人工木は塗り替えなどのメンテナンスは必要ないですが、材料としての価格は高い傾向にあります。プラスチック系の材料のため、夏場といった暑い時期には、表面温度が高温になるというデメリットもあります。

ウッドデッキの耐用年数が短くなる要素

ウッドデッキの耐用年数は、以下のような要因で短くなってしまいます。

 

・湿気や水分

・シロアリ

・紫外線

 

ウッドデッキは、これらの要因で劣化が徐々に進行します。ウッドデッキを長持ちさせるためには、劣化が進行してしまう原因を正しく理解することが重要です。

 

ここからは、ウッドデッキの耐用年数が短くなってしまう大きな要素について解説します。

湿気や水分

天然木のウッドデッキを作った場合、劣化が進行する大きな要因として湿気や水分が挙げられます。特に湿気の多い環境では、木材を腐らせてしまう「木材腐朽菌」と呼ばれる菌が繁殖することにより、木材の劣化が進行します。

 

木材腐朽菌には白色腐朽菌と褐色腐朽菌があり、いずれも木材を腐らせてしまう菌の仲間です。褐色腐朽菌は主に針葉樹を腐らせてしまい、白色腐朽菌は広葉樹を腐らせてしまいます。

 

木材を腐らせてしまう木材腐朽菌は、以下のような条件で発生して増殖します。

 

・栄養

・温度

・水分

・空気

 

木材腐朽菌は、栄養となる木材に付着しており、気温が30℃前後かつ湿気が20%を超えると繁殖します。つまり湿気や水分がたまりやすい環境は、菌を増殖させて木が腐食するため、劣化が進行してしまうのです。

シロアリ

湿気や水分の他にも、シロアリが原因によって腐食が進み、耐用年数が短くなることがあります。シロアリの栄養源は、木材に含まれているセルロースという成分です。

 

シロアリは、水分の含有量が多く柔らかい素材を好む習性があり、以下のような木材は特にシロアリ被害が多い傾向にあります。

 

・マツ

・モミ

・センノキ

・ホワイトウッド

・ブナ

 

シロアリ被害は、ハードウッドよりも比較的ソフトウッドに多いので、浸食されると木材がスカスカになってしまいます。なお、シロアリも木材腐朽菌と同様に、多湿な環境を好む習性があるため注意が必要です。

紫外線

木材が劣化する大きな要因として、紫外線による影響も挙げられます。太陽光の一部である紫外線は、木材の中に含まれるリグニンという物質を分解することにより、変色といった影響を与えます。

 

紫外線の影響を長年受け続けると、リグニンの分解がより進むため、木材としての強度も低下して劣化が促進してしまうのです。なお、分解されたリグニンという物質は、雨風によって流出して劣化が進むため、湿気や水分の多い環境が紫外線劣化を促進する原因となります。

 

紫外線劣化は変色や退色も発生させるので、耐久性が劣ってしまうと同時に、意匠性も低下するデメリットがあります。

耐用年数を迎えたウッドデッキの劣化症状

耐用年数を迎えたウッドデッキには、以下のような症状が現れる傾向にあります。

 

・腐食が進み柔らかくなる

・紫外線劣化でひび割れが生じる

 

どのような劣化症状が出るのかを把握しておくことで、メンテナンスの時期を見極めることができます。そのため、どのような症状が見受けられたら劣化が進んだ状態なのかを事前に確認しましょう。

 

それでは、耐用年数を迎えたウッドデッキの代表的な劣化症状について解説します。

腐食が進み柔らかくなる

木材は木材腐朽菌や紫外線の影響を受け続けると、腐食が進むことで強度が低下するため、柔らかくなります。本来、木材は非常に強度が高く、古くから建築物などに使用されている材料です。

 

例えば、歴史的な建築物である法隆寺で使用されているヒノキは、建築から1,000年以上経過してもその強度を保っています。一方で、鉄筋コンクリート造の建築物は100年程度が寿命とされているため、木材の強度が優れているのは言うまでもありません。

 

ではなぜ腐食が進むと、それほどまでに強度の高い木材も柔らかくなるのでしょうか。それは、木材に含まれている水分量が関係します。木材に含まれる水分量は、15%前後が最も強度があるとされており、20%を超えるとシロアリや木材腐朽菌のリスクが増加します。

 

木材はシロアリや木材腐朽菌の影響で腐朽が進んでしまうため、素材の強度が低下して柔らかくなってしまうのです。

紫外線劣化でひび割れが生じる

紫外線劣化の影響を受けることにより、木材に塗装されている塗膜にひび割れ(クラック)が生じます。紫外線は木材自体だけではなく、塗膜にも影響が生じると理解しておきましょう。

 

なお、塗膜は以下のような過程で紫外線劣化が進行します。

 

1. 退色・変色

2. 割れ(クラック)

3. 剥がれ

 

塗装に含まれている顔料や樹脂などは、紫外線の影響を受けることで劣化するため、徐々に退色や変色といった症状が現れます。これらをさらに放置すると、塗膜にひび割れ(クラック)が生じ始めるのです。

 

また、ひび割れの状況をさらに放置すると、最終的に塗膜が剥がれてしまい、塗装の機能性が失われると同時に美観上にも大きな問題を生じさせるでしょう。そのため、ウッドデッキの塗装にひび割れが生じたり、剥がれてきたりしたならば、メンテナンスの時期として認識しましょう。

ウッドデッキの耐用年数を延ばす方法

ウッドデッキの耐用年数を延ばすためには、以下のような方法を行いましょう。

 

・定期的に塗り替えをする

・小まめに掃除を行う

・屋根を取り付ける

 

ウッドデッキをより長く使用するためには、上記に挙げた方法を実施すると効果的です。屋外環境に置かれているウッドデッキは、思いの外劣化のスピードも速いので、上記のポイントに注意しつつ耐用年数を延ばしましょう。

 

そこでここからは、ウッドデッキをより長くきれいに使い続けるために重要な耐用年数を延ばすポイントを紹介します。

定期的に塗り替えをする

ウッドデッキは日々劣化が進行するため、定期的に塗り替えのメンテナンスを実施しましょう。定期的に塗装で木材を保護することで、シロアリによる影響や木材腐朽菌の影響を受けにくくすることができます。

 

なお、使用する塗料は大きく浸透型と造膜型に分かれており、木目を生かす仕上げにしたければ浸透型の塗料を選択しましょう。一方、木目を潰して仕上げたい場合は、造膜型で仕上げるとエナメル調のようにきれいに仕上がります。

 

塗り替えの頻度に関しては、一般的に2~5年周期で塗装するのが良いとされています。ただし、ウッドデッキが設置されている環境によっては劣化が早まることもあるため、上記の周期は一つの目安にしましょう。

小まめに掃除を行う

小まめに掃除を行うことで、ウッドデッキが傷むのを防ぐことができます。屋外に設置されているウッドデッキには、以下のような汚れや微生物が付着します。

 

・砂埃

・泥

・カビ

・コケ

・飲食類の汚れ

 

これらの汚れを放置すると、ウッドデッキが傷む原因となるので、定期的に掃除をしてきれいにする必要があります。

 

例えば、砂埃や泥はホウキなどを使用して取り除き、こびりついている場合は水洗いなどをすると除去できます。また、カビやコケなどの微生物については、デッキブラシを使用するときれいに取り除けるためおすすめです。

 

その他にも、ウッドデッキでBBQを楽しんだりした際に飲食類の汚れが付着した際には、水洗いとから拭きを併用して汚れを取り除きましょう。

 

このようにウッドデッキの汚れは、放置してこびりつく前に除去することが大切です。小まめな掃除を心掛けつつ、ウッドデッキを傷めないようにメンテナンスしていきましょう。

屋根を取り付ける

ウッドデッキに屋根を取り付けることで、外的な要因から劣化してしまう可能性を軽減することができます。ウッドデッキに屋根を取り付けると、以下のようなメリットがあります。

 

・雨や雪をしのげる

・日差しを軽減できる

・雨天時も洗濯物が干せる

 

屋根のないウッドデッキは、紫外線や雨などの影響を直接受けてしまうため、劣化するスピードも早まってしまいます。一方で、屋根があることで雨や雪をしのげる他、日差しを軽減できるので紫外線劣化の影響も低下させられます。

 

その他にも、屋根があれば天候の悪い日でも洗濯物を干す事ができます。

 

そのため、ウッドデッキの劣化軽減などを目的として、必要に応じて屋根の取り付けを検討してみるのもおすすめです。

おわりに

ウッドデッキの耐用年数は、天然木で10年から最大で50年、人工木で15~20年程度とされています。天然木のウッドデッキは、湿気やシロアリ、紫外線の影響を受けて劣化するため、劣化が進まないようにメンテナンスを心掛けましょう。

定期的な塗り替えや日々の掃除、屋根の取り付けなどの管理を行うと、通常よりも耐用年数を延ばすことが可能です。メンテナンスを実施しながら、きれいな状態のウッドデッキを保ちましょう。

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